2012/06/29

Nike Reports Fiscal 2012 Results


Nike Financial Result Fiscal 2012
Nike Free 3.0.
ナイキの20125月期業績が発表された。連結売上高は2412,800万ドル(前期比15.7%増)、純利益222,300万ドル(同4.2%増)となった。
3月に発表された9カ月業績では売上高17%、純利益9%の伸びだったから、4Qがブレーキになった。特に経費増で利益を押し下げてしまった。大方のアナリストはユーロとドルの為替変動の影響でスローダウンを予測していたがその通りになった。
Nike Sales Results 1997-2012

ブランド売上はナイキ2107,200万ドル(前期比16%増)、その他5ブランド合計は309,500万ドル(同11%増)だった。ナイキ(構成比87%)への一極集中は今も続いている。すでにコールハーンとアンブロは売却が決定しているが、この2ブランドを除外すると、ナイキ構成比は実に90%を越える。2ブランド売却で、ナイキが単独ブランドで今後の成長を考えていると判断するのは早計に過ぎる。2ブランド売却は、むしろナイキには逆の選択肢ポテンシャルが高まったこと反映している。
                   Nike’s 2 Trouble Fields
NikeStore Harajyuku,Tokyo.
ナイキのウイークポイントはナイキジャパン(82,900万ドル:前期比8%増)とアクションスポーツ(49,900万ドル:同6%増)の2つのビジネスユニットである。ナイキジャパン(為替補正後1%伸び)は依然として低迷から抜け出せていない。2011年に史上最大のキャンペーン(The Chosen)を展開したアクションスポーツも、期待どおりには伸びていない。この2つの課題は、ここ12年でメスを入れることになるだろう。

2012/06/26

Nike Analysis Fiscal 2012


More clarity on their Leading Position

Mark Parker, President and CEO of Nike Inc.
 ナイキ(本社:オレゴン州ビーバートン、マーク・パーカー社長兼CEO)は20125月期業績を628日発表する。今回のナイキ業績は極めて重要な意味を持つ。すでに2年目に入った「2015 Global growth Strategy」の成果を占う初の業績発表になるからである。322日発表した第1〜3四半期連結業績は売上17%増、純利益9%増だった。決して悪い数値ではない。しかし、ナイキが総力を挙げて推進してきたアクションスポーツ攻略と、子会社育成は満足する内容ではなかったことが、すでに9カ月業績で明らかになっている。
そこで、これから1週間、ナイキの最新情報を逐次発表する「Nike Pop-Up Blog」を立ち上げます。過去に発表したナイキ関連情報も、重要情報だけは再掲しました。業績発表はPT(太平洋標準時)午後1時で、PT200からは経営陣が出席する業績説明会も開催される。我々は業績速報をこのブログで629JSP(日本標準時)午前11時までにアップロードします。


関連情報は「Monday Night Sports Club」でもご覧頂けます。

2012/06/15

Nike Digital Store Network 2012


Niketown Global Remodeling
Nike Town London reopen its first-ever Nike digital store in 2010, 
 ナイキ(本社:オレゴン州ビーバートン、マーク・パーカー社長兼CEO)はナイキタウンの本格改装オープンに着手した。改装第1号は18カ月前のロンドン(201011月オープン)だったが、次いでポートランド(201111月オープン)も改装した。ポートランドは改装後に店名からタウンが削除され、「Nike Portland」に変更された。3月にはシカゴが改装のためクローズし、5月にサンフランシスコも改装のためクローズした。両店とも改装後は店名からタウンを削除すると見られている。つまり両店ともナイキタウンではなくなるわけである。

Nike Digital Store Network
Nike reopen their secong Digital reonforced store in Portland, 2011.
 ナイキタウンは第1号のナイキタウンポートランドが1990年、最後のロンドンは1999年にオープンした。今後次々に改装される予定である。改装はサンタモニカ店(2010年オープン)がモデル店で、最大の狙いは店舗のデジタル化である。
ナイキはNIKEiD(カスタマイズ)とクイックストライク(限定モデル)を統合して、ビジネスのデジタル化を推進して来た。ナイキタウン改装は、デジタル・ネットワークのHUB構築である。ナイキはデジタル化で、他の追随を許さない圧倒的な優位性を確立しつつある。

Nike launches Twitter RSVP


Twitter RSVP
A riot erupted late Thursday night at the Florida Mall
Nike Twitter RSVP is ewliminating the need to camp out
 in line at Nike stores to secure a coveted Shoe
 ナイキが419日に発表した「Twitter RSVP」は、アメリカで非常に注目を集めている。この方式がうまく稼働すれば、深夜のクイックストライク(限定発売モデル)発売で再三にわたって発生した客の暴徒化が防げるからである。日本のメディアやブランドメーカーは無関心というより、ほとんど知らないようなので、簡単にお知らせします。
ナイキのクイックストライクは固定化したファン層が存在しているから、SNSで比較的容易に集客できる。しかし、従来の情報発信では特定人数を集めることは難しかった。200足の発売で、2,000人集まってしまうから問題が起こったのである。
Twitter RSVP」はこのネックを解決するために開発された販売システムである。購入客はストアがツィートしたハッシュタグ(#tag)、自分のIDナンバー、シューズサイズをダイレクトメッセージで送信するだけで良い。受付は先着順に処理され、ストアからサイズ確認がダイレクトメッセージで送信されれば完了である。受け取りは、発売日にIDを持参して受け取る。
Twitterは新商品プレゼンテーションやプロモーションに採用されて、大きな効果を生み出して来た。しかし、ナイキのように販売処理の一部に組み込んで利用している企業は米国でも皆無に近い。SNSはいまやeコマースの販促ツールから販売ツールとして使用する時代が始まった。日本のブランドメーカーやトレードメディアのeコマース観は、周回おくれどころか、三周も四周も遅れている。

2012/06/13

Nike Plimsoll Summer 2012


Nike Killshot II
Nike Killshot II  Whitye Leather + Gum Sole.
プリムソールの復権は、キャンバススニーカーブランドだけが恩恵を受けているのではない。ハイテクのトップブランド、ナイキもヴィンテージモデルが注目されている。1979年に登場した「キルショットII」がホットアイテムになっている。オリジナルのキルショットIIはラケットボールとスカッシュ兼用のコートシューズだった。
ナイキは2009年にキルショットIIをヴィンテージモデルとしてリバイバル発売した。当初は動きが良くなかったが、2010年にUKエクスクルーシブで発売されたガムソールモデルが、オールドスクールルックとしてSize?UK)やアーバンアウトフィッターズ(US)のUKストアホットアイテムに成長した。2012年は1月から次々にカラー、マテリアルの異なるモデルが発売されている。
日本のイナーシティストアはキルショットIIを名品だのコンテンポラリーだの見当違いのことをいっているが、ナイキジャパンはもっと正確な情報を提供すべきである。

Nike Tennis for Wimbledon 2012


SW 19 Collection
Nike SW17 Collection, Air Max Courtbalistic 4.3 for Rafael Nadal.
 ナイキはロジャー・フェデラーとラファエル・ナダル、マリア・シャラポワ、ペトラ・クビトバ、リ・ナ、セレナ・ウイリアムスがウインブルドンで着用するパフォーマンスウエアを発表した。いずれもホワイトベースで、ノーブル&エレガントなデザインになっている。コレクションに使用されている「SW19」はウインブルドンのポストコードである。なかなか味なことをしますね。
フェデラーはポロ、ウーブンショーツ、シューズは「Zoom Vapor 9 Tour」をコーディネイトしている。ティンカー・ハットフィールドのデザインである。いっぽうナダルはクルーネックTシャツ、ショーツ、シューズはAir Max Courtbalistec 4.3をコーディネイトしている。シャラポワはステイツメントドレスにシューズはLunar Speed 3のコーディネイトである。ドレスはファッション誌でフェアリーテイルスタイルと呼ばれている。

Tennis gear for Top Player
Nike SW19 Collection, Slam Statement Dress for Maria Sharapova, left.
フレンチオープンでは3選手ともカラーコスチュームだった。ローランギャロスはクレイコートなのでコートサーフェイスのブリックレッドに調和するカラーを選択するという配慮も必要になる。プレー中の汚れも当然考慮しているだろう。いっぽうウインブルドンはローンコートなのでホコリ、汚れの考慮は不用である。しかし、センターコートでは皇室ご来臨を想定しておかなければならないので、どうしてもホワイトベースにならざるを得ない。
ウインブルドンはもちろんレジスターされているので、ライセンス企業しか使用できない。現在はポロ・ラルフローレンがライセンシーになっている。しかし、今年はQE IIQueen Elizabeth II)の在位60周年である。1社ぐらいは、QE IIでなくても、Duke LinePrince William)、Dechess LineCatherine Middleton)を発表しても良さそうな年である。2011年にはケンブリッジ公ご夫妻はロイヤルボックスで観戦された。

2012/06/02

Nike To Divest Cole Haan, Umbro


Focus on its Namestake Products
Cole Haan Campaign poster, 2010 Fall & Winter.
 ナイキ(本社:オレゴン州ビーバートン、マーク・パーカー社長兼CEO)は531日、傘下のコールハーン(本社:ニューヨーク)とアンブロ(本社:マンチェスターUK)を売却し、ナイキ、ジョーダン、コンバース、ハーリーに経営資源を集中すると発表した。
アナリストの評価では、ナイキはアスレチックフットウエアのトップブランドで、コールハーンはプレミアムドレスシューズだから相性の良いはずが無い。いっぽうアンブロはアスレチックブランドなので、ナイキブランドで置き換えることができるから不要であると言っている。そんなことは最初から分りきったことで、いまさらしたり顔で言うようなことではない。
ナイキがこの2社を買収したのは、もとはといえばコンフォートとサッカー進出が目的だった。そのどちらも成功しなかったので、不用になったブランドを切り捨てただけのことである。残したハーリーとコンバースだって、どれだけ育成できるかあやしいものだ。
マーク・パーカーはまたまた「Get rid of the crappy stuff and focus on the good stuff*を断行したわけだが、まったくクールな決断のできる経営者である。

*2006年にスティーブン・ジョブズ(当時Apple社長)がパーカー社長に贈ったアドバイス

2012/06/01

Nike Digital Business Strategy


Wellcome to Pop-Up Fan Site


このブログはナイキとは無関係のマーケティング情報サイトです。また、短期間だけ公開予定のポップアップブログです。我々はナイキのシューズマニアでもなければ、ナイキシューズを使用しているアスリートでもない。ナイキのビジネスを分析しているマーケティングアナリストです。ナイキのマーケティングは小レベルの水準にあるため、我々は多くの分析を発表してきました。我々のブログをご覧になった方から多くの質問を受けたので、ナイキ最新情報をポップアップブログで公開しました。興味のある方はご覧下さい。

Niketown remodeling
Niketown London, Oxford Circus, London UK, courtesy by D.Yukimura.
ナイキ(本社:オレゴン州ビーバートン、マーク・パーカー社長兼CEO)はナイキタウンの本格改装オープンに着手した。改装第1号は18カ月前のロンドン(201011月オープン)だったが、次いでポートランド(201111月オープン)も改装した。ポートランドは改装後に店名からタウンが削除され、「Nike Portland」に変更された。3月にはシカゴが改装のためクローズし、5月にサンフランシスコも改装のためクローズした。両店とも改装後は店名からタウンを削除すると見られている。つまり両店ともナイキタウンではなくなるわけである。
Nike Digital Store Network
Nike Portland store, Portland OR.
ナイキタウンは第1号のナイキタウンポートランドが1990年、最後のロンドンは1999年にオープンした。今後次々に改装される予定である。改装はサンタモニカ店(2010年オープン)がモデル店で、最大の狙いは店舗のデジタル化である。
ナイキはNIKEiD(カスタマイズ)とクイックストライク(限定モデル)を統合して、ビジネスのデジタル化を推進して来た。ナイキタウン改装は、デジタル・ネットワークのHUB構築である。ナイキはデジタル化で、他の追随を許さない圧倒的な優位性を確立しつつある。
関連情報は下記のブログでも発表しています。ご覧下さい。