Nike LeBron 12 Low “Hyper Cobalt”

LeBron 12 Low “Hyper Cobalt” 

NBA 2015-16 Regular seasonは10月27日にTip-Offする。まだシーズンスタートには3カ月近くあるから、この時期はバスケットシューズ販売で一番頭を悩ます時期である。毎年9月中旬に新モデルが発表されるLeBronは、ここで助走をかけておかないと、新モデルLeBron 13の売れ行きにも影響が及ぶことになる。

そこでNikeは今月末ギリギリになって、旧モデルLeBron 12の最終シリーズ発売を加速させた。7月30日にはLeBron 12 Low “Bright Citrus” を発売し、8月1日にはLeBron 12 Low “Hyper Cobalt”を主に海外向けに発売する。CitrusとCobaltは80年代のCavaliersが使用していたチームカラーで、見る人が見ればHardwood Classicsとわかるカラー使いである。

   LeBron 12 Low “Bright Citrus” 

LeBronはNikeのFlagship Modelなので、テクノロジーとプロモーションの両面で最優先プライオリティーを与えられている。去年10月のLeBron 12発売では、カラーとディティールの違いでコレクションを7シリーズに分け、Holiday Seasonの3カ月にわたって連続投入するという離れ技を展開した。

今年もアッと驚くプロモーションアイディアを打ち出すと思うが、そのためにも、今回発売する“Bright Citrus”、 “Hyper Cobalt”で助走をつけておかなければならない。なにしろバスケットボール事業部の売上だけで、アシックスの連結売上をはるかに上回るほどの規模だから、日本のブランドメーカーなどとはR&DやPromotionの発想が根本的に違うのである。

Converse marked another century this year

Converse marked another century this yea

ConverseのChuck Taylor All-Star II発売は、25日にお知らせした。Chuck IIの発売はブランドの100周年（2017年）というだけでなく、Nikeの成長戦略と緊密に連動しているので、少し補足しておきます。

Converseは1908年の創業なので、実は2008年に企業として100周年を迎えている。さらに保有しているJack Purcelが1935年に発売されているので、2015年は80周年である。これに2017年のChuck Taylor100周年がやって来るから、まるでアニバーサリーブームみたいな10年が続くのである。

Converse marked another century this year

そこでConverseだけでなくNikeとしても、この好機に徹底したコンバース成長作戦を展開することにした。2015年4月には郊外からボストン中心部にグローバルHQを移転した。North Endのウォーターフロント再開発プロジェクトLovejoy Wharfで、オフィススペース（17,300m2）は賃借である。

Converseはこれまで国内強化を優先し、R&D体制再編成を最優先目標にしてきた。Nikeは2010年に新経営陣をコンバースに送り込み、本格的なテコ入れを開始した。さらに2011年にはバスケットシューズ撤退を指導し、Athleisureに絞り込むという荒療治も施した。

Converse Global Headquarter, Lovejoy Wharf, Boston MA.

2015年は、ナイキグループの中期経営計画最終年度にあたっているから、2015年は全ての面でタイムリーな時期にあたっている。5月15日にはLovejoy WharfにFlagship store（6店目）もオープンした。Converseはどこでも売っている子供の通学履きだったが、これからはレギュラープロダクトにもスタイリッシュなモデルが登場することになる。

Nike Tennis Classic AC “White Pure Platinum/Liquid Lime”

Nike Tennis Classic AC “White Pure Platinum/Liquid Lime”

Summer 2015はWhite Trainer Summerだったというくらいwhite trainerが売れた。しかし、今年のwhite trainerにはちょっとした変化が訪れていた。3月に発売したTennis Classic AC “White Pure Platinum/Liquid Lime”が、これまで無風に近かったヨーロッパSummer Trainer市場に予想外の波紋を広げたのである。

Nike Tennis Classic AC “White Pure Platinum/Liquid Lime”

ヨーロッパのSummer Trainerは、長い間adidas trainerが独占してきた。Stan SmithやRod Laverはテニスコートだけでなくリゾートでもメトロエリアでもメインストリームだった。

2015年はそこにNikeがTennis Classic AC “White/Pure Platinum/Liquid Lime”で乗り込んできた。adidas Stan Smithに比較すれば、Nike Tennis Classicなどものの数ではない。しかし発売されたTennis Classic AC は、透明のメッシュアッパーをネット加工したレイヤーで囲い込むというデザインで、レトロスタイルをそのまま残しながら未来的デザインを生み出した。

Nike Tennis Classic AC “White Pure Platinum/Liquid Lime”

NikeはThe Chmpionships（Wimbledon）に合わせて、4月、5月、7月に相次いでTennis Classic AC のWovenモデルを発売した。しかし市場に与えたインパクトは、はるかにWhite/Pure Platinum/Liquid Limeの方が強かった。Tennis Classic AC はヨーロッパのadidas  tennis trainer王国に初めて登場した強敵だった。　
まもなく夏は終わるが、Tennis Classic AC はこれから長きにわたってretro tennis modelとして生き続けることになるだろう。

adidas Originals Tournament Edition 3.0 Collection

adidas Originals Tournament Edition 3.0 Collection "Rod Laver"

Nikeは今年のGland Slam Eventに合わせて、Tennis Classic AC のメイクオーバーを3月、4月、5月、7月に相次いで発売した。もちろん全豪、全仏、全英に合わせた布陣だ。

これに対してadidasも６月22日にsize?（London）とコラボレーションで ”Tournament Edition 3.0 Collection” を発売した。もちろん６月29日からWimbledonでスタートした
The Championshipsに向けたコレクションなのは言うまでもない。

adidas Originals Tournament Edition 3.0 Collection "Stan Smith"

投入されたのはadidasが保有するアイコニックモデルRod Laver、Stan Smith、Powerphase、Nastase Masterで、いずれも純白のWhite Tennis Trainerである。Nikeとは比較にならないほどの歴史と蓄積を持つadidasだから、シグナチャーモデルには事欠かない。

今年のSummer TrainerはWhite Retro Trainerがホットモデルだったが、後半のホットモデルにはWhite Tennis Trainerが急浮上した。

Raf Simons x adidas Originals Stan Smith Fall 2015 Collection

Raf Simons x adidas Originals Stan Smith Fall 2015 Collection "Response Trail Robot"

adidasはRaf Simons x adidas Originals Fall 2015を7月22日発売した。コレクションはStan Smith12ピース、Ozweego 2、Response Trail 4の合計18ピースで構成されている。Stan Smithはレザーの表面処理とカラートーンにこだわり、オリジナルデザインのOzweegoとResponseは、前回とは異なったカラーストーリーを打ち出した。いずれもAthletic Brandのウイークポイントを突いたアイディアで、Simonsクラスのコラボレーターになると、打てば響くようなデザインワークを提示して来る。

Raf Simons x adidas Originals Stan Smith Fall 2015 Collection "OZweego II"

Raf Simons x adidas Originals Stan Smith Fall 2015 Collection "Stan Smith"

Simonsとadidasのコラボレーションはこれで5回目である。前回まではカプセルコレクションだったが、今回はコレクションを一気に拡大した。adidasがSimonsをStan Smithのシグナチャー・コラボレーターに容認したのは明らかである。サイドパネルの3ストライプに代えてRのパーフォレーションを刻印し、ヒールカップにRaf Simonsをエンボスしたのもその意思表示である。

Achilles Ion Gabriel Spring/Summer 2016

Achilles Ion Gabriel Spring/Summer 2016

Achilles Ion GabrielがSpring 2016Collectionを7月23日発表した。ドレスシューズとブーツ中心のブランドだが、今回はTrainerが強化されている。スリッポンが多く、またベルクロを多用しているのも特徴である。カラーブロックがデザインテーマになっているが、これはAnne Truitt（USA：1921-2004）の作品にインスパイアされたからだと説明されている。

Achilles Ion Gabriel Spring/Summer 2016

Trainerは厚めのソールを使用し、ほとんどのモデルのミッドソールはホワイトである。アッパーは全てソリッドカラーで、ストラップやベルクロフィッティングにアクセントカラーを使用している。全モデルともミニマリックなデザインで統一されている。製造はポルトガルで行ない、価格はUS$300〜700に設定している。販売は Dover Street Market、The Corner（UK：Online）、The Broken Arm（Paris）、LN-CC（London）などコンテンポラリーブティックが中心である。

Achilles Ion Gabriel Spring/Summer 2016

Achilles Ion Gabrielはフィンランド生まれ、パリ本拠のデザイナーで、2013年に最初のコレクションを発表した。今回のTrainer強化は、ロンドンや北欧でのBoomに対応したものである。

アメリカンスタイルのスニーカーはNikeの独り勝ちになっているが、なにも世界中のブランドがアメリカンスタイルに追随する必要は無い。Achilles Ion Gabrielは北欧のポップカラー、フランスのエスプリ、ポルトガルの職人技をバランス良くまとめたTrainerを生み出した。日本にもこういうブランドが増える時期が近付いている。

The Converse Chuck Taylor All-Star 2

The Converse Chuck Taylor All-Star "Black"

ConverseはChuck Taylor All-Star IIを7月23日発表した。全体的にはクラシックスタイルのシルエットを踏襲しているが、アッパーはDurable canvasコンストラクションに変更し、Foam Pad Collar、Non-slip gusseted tongueを新たに搭載した。クッショニングを抜本的に強化するためNike Lunarlon socklinerも搭載し、フットベッドにはSockless使用を想定してPerforated micro suedeを使用している。

The Converse Chuck Taylor All-Star "White"

The Converse Chuck Taylor All-Star "Red"

Comfort機能向上に細やかな配慮を見せているが、スタイルルにはほとんど手を加えていない。アッパーがDurable canvas constructionに変更されているが、エンブレム、ヒールパッチのブランディングは従来通りで、外観にほとんど変化はない。
発売は7月28日で、コンバース直営店、限定ストア、オンライン（Converse.com）から発売する。価格（MSRP）は$70USA（OX）、$75USA（hi-top）である。第1回の発売カラーはBlack、White、Red、Blueの4色である。

The Converse Chuck Taylor All-Star "Blue"

外観を据え置いて、Confort機能だけを強化したのは、もちろん第1ステップにすぎない。当然この後に続くAll Star作戦の布石である。Converseは2017年に100周年を迎えるから、2016〜17年は徹底した100 years anniversary collectionを展開することになる。その第1ステップが、Comfort機能の受容度測定になったのである。

adidas Consortium Superstar Primeknit

adidas Consortium Superstar Primeknit

adidas（HQ：Herzogenaurach）はadidas Consortium Superstar Primeknitを8月1日発売する。ShelltoeとRubber sole、全体的なシルエットはオリジナルモデルを忠実に再現しているが、Primeknit upperを搭載してSummer trainerにメイクオーバーされている。アッパーはwhite/Blackと Black/Whiteの2バージョンで、MidsoleとShelltoeは両モデルともオフホワイトである。

adidas Consortium Superstar Primeknit

adidas は4月にStan Smith、6月早々にTubularのPrimeknitを発売しているが、まだクラシックモデルのPrimeknit化を推進している段階である。

adidas Consortium Superstar Primeknit

いっぽうNikeは、Flyknitのパフォーマンスランナーを最初から投入し、Flyknit styleとFlyknit Category構築で一歩も二歩もadidasに先行してきた。すでに第1期の開発は完了し、Advanced Model開発に進んでいる。adidasがこの分野でNikeに肉薄するのは至難の業である。

The Vans 2015 Fall Classic Slip-On Collection

The Vans 2015 Fall Classic Slip-On Collection "Vintage"

Vans（HQ：Cypress, CA）は7月21日、The Vans Slip-On Fall 2015 Collectionを発売した。コレクションは6ピースで、Vintage（3）、Leather（2）、Wool Sports（1）で構成されている。

1979年初登場時のディテールに忠実な復刻であるが、素材とカラーはメンズのFall Trendに対応している。ソールはオリジナルのバルカナイズワッフルソールである。ヒールライニングの内側部分にはレザ−を使用している。

The Vans 2015 Fall Classic Slip-On Collection "Vintage"

Vansは毎年New Year、Summer、Holidayなどシーズンに合わせて主力モデルのCollectionを発売する。今年は新年早々カラフルなキャンバスアッパーモデルを発売したから、カラー路線と思っていたら、一転してモノトーンにNikeとは180度逆の路線であるが、これはこれで悪くない。

The Vans 2015 Fall Classic Slip-On Collection "Vintage"

Vansはアメリカのスニーカーブランドで、唯一Slip-Onのヘリテージを確立したブランドで、NikeやadidasのようなAthletic Brandsが足元にも及ばないスタイリッシュなモデルを発表してきた。昔からビーチシーンに強いSummer Trainerの側面を持っていたが、最近ではWomen’s Trainerとして他の追随を許さない強さを発揮してきた。かつてはKeds、Tretorn、Reebok-Freestyleが女性スニーカー御三家だったが、この数年間はVans Slip-Onが女性のカルト的な人気を集め、とりわけフレンチスタイルのコーディネイトには欠かすことのできないブランドになっている。

Nike Tennis Classic AC Woven “Wolf Grey/Gum Brown”

Nike Tennis Classic AC Woven “Wolf Grey/Gum Brown”

Nike（HQ：Beaverton, OR）は7月7日、Tennis Classic AC Woven “Wolf Grey/Gum Brown”を発売した。アッパーはグレイレザ−のウーブンで、ソールはライトブラウンのガムソールである。

Nike Tennis Classic AC Woven “White”

Wovenは4月にホワイト、5月末にブラックが発売され、グレイは3回目のモデルである。発売タームから見て、WovenがSummer Trainerとして市場投入されたのは明らかである。5月にはFrench Open、6月末からはWimbledon Championshipがスタートするから。ちゃんとそれに合わせて発売されている。日本のようにトレンドでフットウエアを購入するのは特殊な購買で、ヨーロッパやアメリカではSummer trainerは夏に発売し、買うほうもSummer Trainerとして購入するのである。

Nike Tennis Classic AC Woven “Black”

Tennis Classic ACは1982年に発売されたクレーコート用シューズで、オリジナルはスエードアッパーにラバーソール、ウレタンフォームのトングーだった。再評価されたのは日本の復刻モデルがきっかけで、Nikeでは玄人受けするモデルの一つである。アメリカではオリジナルのスウェードにホワイトのオートクレーブソールが定番スタイルであるが、海外ではメイクオーバーのほうが人気は高かった。