2018/04/18

Nike Exodus : Executive departure continues


Nike World Campus, Beaverton, OR
Nikeエグゼクティがまたもや連続退任した。エグゼクティブ流出に歯止めがかからない危機的状況になってきた。3月15~16日のTrevor Edwards(Nike brand本部長)、Jayme Martin(Nike 海外統括副社長)に続いて、今度はAntoine Andrews(Vp of diversity and inclusion)、Vikrant Singh(Senior brand director, Nike basketball in North America)、Daniel Tawiah,(Vp of global brand digital-marketing innovation)の3人が退任した。これで3月15日から始まったエグセクティブ退任は5人になった。

Antoine Andrews, Vp of diversity and inclusion, Nike.

Antoine Andrewsの統括部門 ”diversity and inclusion"はマイノリティ、ハンディキャッパー、シニアなどの多様な人材雇用開発部門であるが、同部門は4月初旬にMonique Matheson(Evp Global human resource)が内部通達で女性とカラードの雇用改善強化を発表している。すでに3月16日にはMark Parkerも社内カルチャー改革推進通達で、人材開発と企業風土の改革を発表している。この社長通達と役員通達が出ては、槍玉に上がった統括vpのAntoine Andrews退任はやむを得なかっただろう。

Trevor Edwards, Nike Brand president
Antoine Andrewsの統括部門 ”diversity and inclusion"はマイノリティ、ハンディキャッパー、シニアなどの多様な人材雇用開発部門であるが、同部門は4月初旬にMonique Matheson(Evp Global human resource)が内部通達で女性とカラードの雇用改善強化を発表している。すでに3月16日にはMark Parkerも社内カルチャー改革推進通達で、人材開発と企業風土の改革を発表している。この社長通達と役員通達が出ては、槍玉に上がった統括vpのAntoine Andrews退任はやむを得なかっただろう。
Vikrant SinghとDaniel Tawiahの統括部門も退任は不可避だった。バスケットは北米で現在最も低迷している部門で、責任を取らされたのは容易に察しがつく。いっぽうディジタルマーケティングは今後Nikeが最重要視している成長分野で、部門強化のために責任者の交代が行われたのは確実である。両部門ともそれなりの実績はあげていたし、責任の所在はvpやbrand directorよりもっと上層部の責任の方が大きいはずだ。しかしNikeの現状の企業カルチャーでは、中堅エグゼクティブの進退に無言のプレッシャーがかかったのである。
Nike All Execs
2人が連続退任した時、Nikeはトップエグゼクティブ、中堅幹部の大規模な刷新・異動を断行している。今回も同じような内部組織刷新を推進しつつあるが、果たしてそれで事態が解決できるか疑問も多い。前回の時は2014~15年に業績が快復したが、2年で成長はストップした。今回も業績回復は部分的に進むだろうが、中長期的に成長路線に復帰する可能性はあまり期待できない。Nikeの課題は中堅管理職やマーケティング、R&Dにあるのではない。トップマネジメントの刷新と成長プランの不在こそ最重要課題である。Nikeはすでに2012年をピークに成長から成熟の時代に移行した。この段階で新しい成長モデルが必要だったが、それに成功しないまま6年が過ぎてしまった。すでに2016年から顕著になった最重要視市場である北米のスローダウンも今に至るまでカバーできていない。北米回復を中心に据えた今後10年の成長プランは、現在のトップマネジメントに期待するのは不可能と考えざるを得ない。
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