2018/06/29

Nike FY18 result; $36.3 billion, up 5.9 percent


Mark Parker, CEO, President, Chairman of Nike
Nikeが6月28日発表した2018年5月期業績は連結売上高363億9,700万ドル(前期比5.9%増)、純利益19億3,300万ドル(同54.4%減)となった。Nikeブランド売上高は344億8,500万ドル(同7%増)、Converseは18億8,600万ドル(同6%増)である。Nikeブランドの卸売上高は303億ドル(6%増)で、全体構成比は88%である。
カテゴリー別売りげは最大カテゴリーのSportswear(100億ドル)が11%増、Running(52億ドル)は7%増、Basketball(15億ドル)は16%増だった。Jordanを除くバスケットは健闘したが、Jordan Brand(29億ドル)は8%減だった。
Nike Executive Club
減少が注目されていた北米フットウエア売上高は93億2,200万ドル(同4%減)だった。北米は第1四半期(2017年6~8月)に減収(3%減)に転落し、第2四半期(4%減収)、第3四半期(4%減収)と減収が続いた。この間なりふり構わぬ大量モデル投入でリカバリーに全力を傾けてきたが、ついに年間で減収に転落した。
2017年から始まったNike業績低迷は、前期業績でその構造が明らかになりつつある。カテゴリーでは30億ドルを超えたJordan減収がブレーキになっている。Jordan以外のバスケットを総合しても前期比1%の減収に終わっており、今やバスケット王国の面影は遠い過去になった。
Nike React Element 87
バスケット以上に由々しき問題は北米業績悪化だ。常に2桁業績をキープし、他を寄せ付けぬ本拠地だったがついに減収に転落した。北米は市場縮小になっているのではない。adidasは2桁増収を続けているのだから、Nike競合力が弱体化しているのはもはや覆うべくもない事実である。フットウエアどころか北米アパレルも前期比1%増までスローダウンしているから、近い将来北米の年間総売り上げがマイナスに転落するのはほぼ確実である。
Nike Bandal Triple Deck
もう一つのトラブルは、3月から始まったExecutive Exodusで、総計15人の第一線エグゼクティブが次々に退任した。しかもそのほとんどが就業時間内のストリップクラブ通いや女性社員へのセクハラが退任理由だった。Nikeは素晴らしいマーケティング企業ではなかった。財務省や安倍政権に負けず劣らずの、下劣なBoys Clubだったのである。
Nikeのようなメガブランドは、国内市場や特定カテゴリーに特化するだけでは長期安定的な成長を維持することはできない。かつて最盛期のアディダスが80年代に直面したジオポリティック(地政学的)、デモグラフィック(人口統計学的)両面からのマーケティングアプローチがNikeにも要求されているのである。
本拠地の落城、バスケット王国の崩壊、企業モラルの欠如で、今やNikeは存続の危機に直面している。1982年以来30年ぶりの危機である。Mark Parkerがこの難局を乗り切れるかどうか大いに疑問である。

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Nike Exodus : Executive departure continues

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