Nike(Beaverton, OR)が3月22日発表した2018年5月期9カ月(Q1~Q3)業績は連結売上高266億800万ドル(前期比4%増*)、純利益7億9,600万ドル(同75%減)となった。為替調整後の増収幅は2%(前年同期6%増*)までに低下し、利益も前年同期期11%増*から実に75%という大幅減益に転落した。第3四半期(2017年12~2018年2月)単独では4%増収を確保したが、純利益は12%の減益に終わっている。
地域別9ヶ月売上伸びは北米がマイナス(4%減)、EU/中東/アフリカ(9%増)、中華圏(15%増)、Asia/Pacific/Latin America(8%増)もスローダウンに直面している。Converseの9ヶ月業績は13億7,400万ドル(前期比10%減)だった。
Mark Parker, Chairman, President and CEO of Nike |
2016年は全地域2桁増収、しかもスローダウンの北米、西ヨーロッパ以外は20%を大きく超える増収だった。2017年には各地域とも増収率はほぼ半減し、とりわけフットウエアのスローダウンが顕著になっていた。そしてついに2018年第1四半期には北米が減収(3%減)に転落し、第2四半期はさらに減収幅(4%減)が広がり、第3四半期(4%減)にも減収は改善されていない。
Nikeは2017年6月以降の新年度にはなりふり構わぬ大量モデル投入でリカバリーに全力を傾けてきたが効果は上がっていない。このままだと2018年5月期は減収・減益に転落する可能性が否定できそうにない。
この窮地に輪をかけて、3月16、17日にはエグゼクティブ2人が相次いで退任した。2015年から水面下で進んでいたプロダクトR&D硬直化、ジョグラフィカル対策の破綻が業績、人事の双方で表面化したのである。それに加えてadidasは追撃速度をさらに上げつつある。Nikeの2018年決算は予断を許さなくなってきた。
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